ナトリウムの公式
ナトリウムの公式についてです。
それは、これです。
体液量の係数は、
男性0.6 女性0.5
高齢男性0.55 高齢女性0.45です。
この公式は、とても重要、役に立ちます。
そして実際に使えます。
本に書いてあるのを、少しいじってあるので、あまり記載はないかもしれませんが。
ですが、Naの理論を合わせて考えるとこの式で証明できますし、補正でミスったことは今のところ一度もありません。そんな考え方をここでは書いています。
有名な補正式に、Adrogue-madiasの補正式(修正版)がありますが
それではありません。
ちなみに、Adrogue-mediasの式はこういう式です。
Adrogue-madiasの式(修正版)で生理食塩水1Lを入れた時には、このように変化します。体重50kg、体液量の係数は0.6とします。
今のNa濃度を120、生理食塩水(154mEq/L)を1L入れるとします。その際の濃度予測としては
補正Na=121.096となります。
というような式です。
ただこれは、尿から排出される電解質分が式に入っていません。
そして、ナトリウム補正で一番大事なことは尿からの排出される電解質です。
それを加味すると、この式になります。
例えば、生理食塩水1Lを入れた時に、どう変化するか。
体重50kg、体液量の係数は0.6とします。
今のNa濃度を120、生理食塩水(154mEq/L)を1L入れるとします。
心因性多飲などで、薄い尿が3L出る人で、尿Naが10mEq/L、尿Kが10mEq/Lとします。
3Lの尿で、20mEq/Lなので、尿のNa Kは60mEq出ていきます。
そうすると、濃度は
となるので、131.928となります。かなり上がります。
SIADHなどで、濃い尿が出る人で、仮に尿Naが170mEq/L、尿Kが30.5mEq/Lとします。
154mEqの溶質を入れると、尿が750ml(0.75L)くらい出ます。
となるので、119.008となります。生理食塩水を入れても下がります。
というように使います。
この式の証明はなかなか複雑ですが
公式とは、それの方法を知らなくても使っていいという利点があります。(正しければ)
3平方の定理というのがありますが
この公式を使っている人が、皆この数式を証明できるわけではありません。
それと同じで、まずは型としてこの公式を使ってみて下さい。
ちなみにこの公式を理解して使えるようになると、ナトリウムの理解はとても深くなります。

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