リハビリと栄養とサルコペニア
入院患者さんでは、多くの患者さんが低栄養傾向です。
サルコペニア(筋減弱症)とは
・狭義:加齢による筋肉量低下
・広義:すべての原因による筋肉量、筋力低下
を指します。
広義のサルコペニアの原因としては、低栄養、加齢、低活動などがあります。
加齢に伴う筋力の変化として、
運動単位数の減少、筋線維数の減少などが見られ、
20代後半〜30歳の、筋肉量のピークの時期と比較すると
80歳では5〜7割ほどとなります。
また、入院中は安静・カロリー不足により、広義のサルコペニアが起こりやすい状態です。
それらを減らさないようにするという視点で、栄養の量を計算したり、運動について知識を知っておきましょう。
運動によるエネルギー消費量
まずは、運動負荷によるカロリーの消費を知り、サルコペニアを予防しましょう。
運動消費量の目安はMETs(metabolic equivalents:代謝当量)で表します。
運動時の酸素消費量を
安静座位時の酸素消費量で割った数値です。
このMETsふぁ、運動の強さの指標となります。
エネルギー消費量(kcal)=1.05×体重(kg)×METs×運動時間(h)
METs 身体活動
METs | 身体活動 |
1.0 | 横になって静かにテレビを見る、睡眠 |
1.3 | 立位で静かにしている |
1.5 | 座位で会話、食事 |
1.8 | トイレ、座位、立位、しゃがんで排泄 |
2.0 | 整容、家の中を歩く、シャワーを浴びる |
3.0 | 平地歩行(4.0km/h) |
3.5
|
徒手的なレジスタンストレーニング 8〜15回繰り返し、階段を降りる |
4.0 | 階段をゆっくり昇る |
4.3 | 平地歩行(5.6km/h) |
6.0 |
マシンを使ってレジスタンストレーニング、 |
エネルギー消費量(kcal)=1.05×体重(kg)×METs×運動時間(h)で、消費カロリーを考えましょう。
運動の目安
栄養障害の程度を見ながら、リハビリを進めるための1つの目安を図説します。
色々な情報を利用し、廃用を予防していきましょう。
アルブミンは、炎症など感染を起こしている時でも低下することはあるので、一概に絶対値評価はできませんが
1つのは参考になります。
全体で栄養状態をを評価し、リハビリの目安にしましょう。
重度栄養障害のリハビリ
ROMex、ストレッチ、ポジショニング、離床(抗重力位への変換)
中等度栄養障害のリハビリ
自動運動、レジスタンストレーニング、ADL動作練習
軽度栄養障害のリハビリ
積極的な歩行練習、階段昇降など応用動作
